世界には車検がない国があります。当然、自動車が普及していなければ車検という制度も必要ないのですが、急激に自動車の普及率が向上する一方、法制度が追いついていないマレーシアなどの東南アジア諸国や、アメリカの一部の州などのように、車検制度がいまだに取り入れられていない国や地域が見受けられます。

玉名市 軽自動車の廃車・名義変更について

その一方で、先進国と呼ばれるほとんどの国では、車検制度に類する法制度が導入されています。ですからアメリカ、EU、韓国、中国、インドなど、およそ自動車の普及が著しい国々においては、やはり何らかの形で車検制度が導入されているという実体が見て取れるのです。しかしその中でも、たとえばインドを例に取ると、商用車にのみ車検制度が導入されており、普通乗用車には登録義務のみが存在し、その登録が一旦切れてしまう15年後に再度登録しなおすことで、その後も乗り続けることが出来るといった特殊な事例もあり、全てが日本式の車検制度と同一であるとは言えないのが実状です。

バイク、小型特殊自動車等の登録、廃車|葛飾区

つまり良く言われる話であるところの「車検、すなわち自動車検査登録制度があるのは、世界中見回しても日本だけだ」というのは、実はある意味正解で、別の意味では不正解ということになります。なぜなら自動車検査登録制度は導入している国ごとさまざま形式があり、どれひとつとして完全に同じものなどないからです。よって「車検制度は国ごと独自のものであり、日本のそれも当然、日本独特の法制度である」というのが妥当な見解といえるのではないでしょうか。


このような車検に関する国ごとの相違点には、多くの場合その国ごとの文化や国民性が関与していると言われます。例えば欧米の各国では、車両の安全確保(予防保全)は自己責任であり、整備不良が原因で引き起こされた車両事故に関しては、その整備義務者に対して非常に厳しい罰則があるという話はよく聞きます。日本において事故の責任が問われるのは、どちらかというと事故によって起こされた被害(結果)に対してであり、その事故を引き起こした整備不良(原因)に対するものではないというのが、一般的な認識ではないでしょうか。

しかし日本においても、自分の車両を安全な状態に保つことは所有者の義務です。つまり一部で曲解されている「車検を通過した自動車は安全が担保されている」という認識は誤りということです。自動車の点検整備義務という意義においては、程度の差こそあれ日本も海外も同じなのです。